サイディングボードの目地シーリング材は劣化状況によって交換します
外壁サイディングボードの塗替え塗装・ボード目地交換
外壁サイディングボードのつなぎ目(目地)に用いられているシーリング材は塗替え塗装工事のときに目地の劣化状況を診断し、必要であれば目地交換をします。
近年外壁材としてサイディングボードがよく使われるようになってきましたが、ボードとボードのつなぎ目(目地)に用いられているシーリング材が、10年も持たずに劣化が進んでいる事例が多くあります。
この目地劣化をそのままにしておくと、建物内部に水がしみ込み、そこから建物本体の劣化が加速されて、家の寿命を著しく短くしてしまうことになります。 一般的に、外壁塗替え塗装工事のときに目地の劣化状況を診断し、必要であれば目地交換をします。
最新は、この目地部を不要にしたサイディングボード(熱による伸縮が少ない素材)が開発され、今後は目地の問題も解決されるものと思われます。
外壁塗り替え(リフォーム・修繕)で使用されるシーリング材は大まかには2種類あります。
- コーキング材打ちっぱなしのとき ⇒ 変成シリコン系
- コーキング材の上に塗装のとき ⇒ ウレタン系(ノンブリード型)
このサイディングボードの目地交換は外壁全体に及ぶ作業です。
仮設足場をかけて行う外壁塗装(塗り替え)とセットで行えば、足場費用の面からも、お得です。
サイディング外壁の構造
サイディングは近年外壁材としてもっともよく使用されている材料ですが、その構造はシンプルで、高温多湿に耐え、しかも気密性が高く、施工しやすくなってきております。
1990年代以前の建物では、ボードとボードのつなぎ目(目地)に用いられているシーリング材の下に、緩衝材(バックアップ材)がありました。
最近は、サイディングボードの専用取付金具が緩衝材の役目を果たし、直接シーリング材を入れられるものもあります。
シーリング材劣化の原因
建物の外壁にはさまざまな建築部材が取り付けられますが、温度や湿度に対する伸縮の度合いが部材ごとに異なるため、部材と部材の間には隙間を作り、緩衝材としてシーリング材を充填します。
シーリング材は紫外線や湿気に耐えながら温度変化による伸縮を繰り返し、やがて、本来の機能が維持できなくなり、雨水の進入や外気が流入してきます。 劣化の進み具合は目視で判断できます。
- 老化が始まる (痩せる)
- 劣化が始まる(ひび割れが見られる)
- ひび割れが進み開口する (ひどい状態は剥がれる)
作業工程と内容
作業工程 | 作業内容 |
---|---|
①既存シーリング材撤去 |
|
②養生テープ(マスキング) | シーリング材を充填する際に、目地以外に余分なシーリング材がつかないよう紙テープなど貼り養生します。 |
③プライマー塗布 | シーリング材の密着性を高めるため、樹脂を塗布します。 |
④シーリング材充填 | 強度や弾力性をさらに高めるため、この作業を2回行うこともあります。 |
⑤仕上げ | 充填したシーリング材をヘラでならします。 |
⑥養生撤去 | 養生テープを剥がして作業完了です。 |
目地交換の作業は、このシーリング材の劣化状態により工事の方法が違います。
あまりにも状態が悪い場合(上記③のようなひび割れが進んだ状態)は、「打ち替え」といって「シーリング材撤去⇒充填」という方法をとります。(右の表を参照)
右記①のようなシーリング材の老化が始まった程度の状態は、「打ち増し」といって、既存シーリング材の上にシーリング材を重ねる作業になります。