モルタル外壁の欠損は見た目だけではなく、建物の寿命を短くします
モルタル外壁の欠損
モルタル外壁の欠損は、外壁が欠けている状態でひび割れよりももっと深刻な状況です。いずれにせよ放置しておけば建物の外観を損ねるのはもちろん、その建物の寿命に影響を与えますので早めに補修をしましょう。
外壁の構造
【木造モルタルの場合】
【RCの場合】
欠損の原因
欠損の原因は違いにより3種類あります。
衝撃による欠損,腐食による剥離は目視で見つけることが出来ますが、爆裂による欠損は建物診断時に打診用
ハンマーで叩いて見つかる場合が多いようです。いずれも工事が必要です。
- 衝撃による欠損:外部からの衝撃による欠損
- 腐食による剥離:鉄製のラス網の腐食による剥離(木造/鉄骨モルタル住宅)
- 爆裂による欠損:内部鉄筋の腐食膨張による欠損=爆裂欠損(RC住宅)
補修作業工程と内容
補修方法は建物の構造で作業工程が異なります。
木造モルタル住宅の場合:腐食による剥離
作業工程 | 作業内容 |
---|---|
①腐食・破損箇所を取除く | 損傷の及んでいる箇所をすべて撤去します。 |
②清掃 | 損傷箇所を清掃します。 |
③-1型枠作成 | 成型が必要な場合は、モルタルが垂れないように型枠を作ります。 |
③-2モルタル埋め | 樹脂モルタルで平らに埋めていきます。 |
④表面仕上げ | 埋めたモルタルが乾いた後、ディスクサンダー等で表面を滑らかに仕上げていきます。 |
⑤外壁塗装仕上げ | 既存外壁に模様がある場合はローラー等で同じように模様をつけていきます。 ⇒外壁欠損部分の痕跡はほとんど分からなくなります。 |
下地材の腐食が激しい場合・・・
モルタル壁などの下地材(木材)など躯体部分の損傷が激しい場合は、その補修を行うことがあります。
躯体の大工仕事、防水紙、ラス金網等の工事費が別途かかります。
作業工程 | 作業内容 |
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①腐食・破損箇所を取除く | 損傷の及んでいるモルタル、建物の構造部材をすべて撤去します。 |
②躯体の修復 | 撤去した建物の構造部材を大工仕事で元通りにし、モルタル用に防水紙とラス金網を取り付けます |
「木造モルタル住宅の場合:腐食による剥離」の③以降と同じ処理 |
RC(鉄筋コンクリート)住宅の場合:爆裂による欠損
作業工程 | 作業内容 |
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①ハンマーによる斫り | 腐食している鉄筋部分をすべて露出させます。 |
②ケレン作業 | 鉄筋の腐食部分をきれいに除去します。 |
③錆止め塗布 | 最近は、エポキシさび止めが多いようです。 |
④プライマー塗布 | 樹脂モルタルの密着をより確かなものにします。 |
⑤樹脂モルタル充填 | 既存外壁に模様がある場合はローラー等で同じように模様をつけていきます。 ⇒外壁欠損部分の痕跡はほとんど分からなくなります。 |
補修完了 | 補修完了後に外壁塗装やタイル貼り工事が続きます。 |